【第5回Rootsが終わりました!】
第5回Rootsがおわりました。今回は、東京学芸大学大学院教育学研究科、学校教育専攻 学校教育コースの香山太輝さんがプレゼンターとなり、「江戸時代における学校構想で考える“学校”と“教育”」をテーマに、論文を用いて行いました。
学級は教授の場なのか、学習の場なのか。江戸時代に活躍した山鹿素行と熊沢蕃山という二人の教育者の構想をもとに、「学校」をみる眼鏡を付け替えてみようと試みた今回のRoots。
プレゼンターの香山さんからいくつかの問いが提示され、それらに沿って考えていきました。その核となる問いがこちら。
“「学校」は、別の場所と違って[ 1 ]という特徴を持ち、この特徴が[ 2 ]という意味で教育的に価値があると思うから。”
上の問いに沿って、最初は個人ごとに穴埋めをしていき、その後に論文に登場する山鹿素行と熊沢蕃山の考えを元に、グループで穴埋めをしていき、最後はグループごとに価値観をすり合わせていきながら、穴埋めをしていきました。
グループで出た意見
▶︎「学校」は、別の場所と違って[ 同年代で時間と空間を共有する ]という特徴を持ち、この特徴が[ 自己を獲得・発見する ]という意味で教育的に価値があると思うから。
▶︎「学校」は、別の場所と違って[ 義務 ]という特徴を持ち、この特徴が[ 社会性の涵養 ]という意味で教育的に価値があると思うから。
グループででた考えをシェアした後は、気になるグループに移動してお互いに質問をし、さらに考えを深めていきました。
“「人」はなぜ教育をするのかではなく、「私」はなぜ教育をするのか。”
今一度考えてみてほしいと香山さんは仰っていました。
さて、今年の5月から始まったRootsも5回目を迎えました。今回はまさに私たちがRootsを作っていく中で大切にしていきたいものが、参加者の中にも芽吹き始めたような、そんな会でした。これからも、多様な教育者やそれを目指す皆さんとともに教育のねっこづくりをたくさんしていけたらなと思います。
香山さんおすすめの論文/本
・辻本雅史『「学び」の復権―模倣と習熟』角川書店、1999年
・ガート・ビースタ、齋藤眞宏(訳)「何のための教育か?:よい教育、教師の判断、そして教育的専門性について」『旭川大学経済学部紀要』第76号、2017年、147-161頁
・ガート・ビースタ、鈴木康弘・高田正哉(訳)「幼稚園の中のデモクラシーー幼児たちが世界に安心して存在することを支えるということ―」『東京大学大学院教育学研究科 基礎教育学研究室 研究室紀要』第43号、2017年、193-209頁
文責:松島響子