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〜考えること⑤

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「村西和紀さん」
〜考えること⑤インタビュアー:松下光

今日のインタビューは
村西和紀さんです。

優しく、ゆったりした口調の村西さん。
児童養護施設でのエピソードをたくさん聴きました。

すべてのエピソードに胸が熱くなったのですが、
記事ではいくつかピックアップして
書かせていただきました。

ぜひ、読んでみてください(^^)

先生をやめたきっかけ

どうして先生をやめたのですか?

先生になる前から、
3年か5年か10年でやめようと思っていたんです。

え!なる前から、やめることを決めていたんですか?

そうです。
自分の納得のいくタイミングでやめようと思ったんです。

どうしてですか??

大学生の時に自分のやりたいことは
教員とは少し違うなって思ったんです。

小学生の時からずっと
教員になろうと思ってたんですけどね。

大学生活


村西さんがお家で飼ってるハリネズミ

教員じゃないかもしれないと思った

きっかけを教えてください

やっぱり大学で友達と話してたり、授業とかで、
「なんで教員になろうと思ったの?」
みたいなことを聞かれますよね。

それでふと振り返ったんですね、自分で。

「小学生の時に憧れた先生がいたから。
その先生を目指して教員になろうと思った。」
って、自分では思ってたんですけど。

「その先生がどうしてよかったの?」
って話をふられたときに答えられなかったんです。

具体的にこういうことをやってくれたとか、
あれがすごく楽しかったとかじゃない。

自分のことを見てくれてるって思えたことが
うれしかっただけなので…

具体的に何が良かったというわけじゃ
なかったんですよね。

深く考える時があったんですね

そうですね。

その時に、よく考えてみて、
私は別に、なにかを子どもに
教えたいわけじゃないなと思いました。

子どもたちが
「死ぬときに自分の人生よかったな」
って思えるような人生を生きてほしいなって思ったんです。

とりあえず勉強ができればいいとかじゃなくて、
人のことを考えられるとか
そういう”生き方”のところに
影響させたいなって思ったんですよね。

なので、大学で模擬授業をしている時などに
すごく違和感を感じていました。

違和感を感じていながらも
教員になった理由はなんですか?

基本的にもったいない精神なんです。笑

自分の人生一度きりじゃないですか。

だったら
自分が最大限やりたい仕事をやりたいなと思って。

児童養護をやりたいって思ったのは、
大学2年生だったんですけど、

でも小学校の時からずっと想ってきた
憧れの先生になりたいっていう夢を、
きっぱり捨てちゃうのももったいないって思ってて。

どっちもやるためにはどうしたら良いかって考えたら、
どっちかをやめなきゃいけないなと思ったんです。

そしたら最初に教員をやろうっておもいました。

なので、
やるまえから辞めることを決めて
教員になったんです。

児童養護施設での生活


児童養護施設ってどんな場なんですか?

私の感覚としては
学校の反対の位置にあるものなんですね。

ざっくりいうと、
家庭で親と一緒に生活できない子を預かって
一緒に生活をするところです。

子ども達は、児童養護施設から学校に通って、
で学校から帰ってくる。

だからほんとに家のイメージです。

なんでそこで働きたいと思ったんですか?

やっぱり私のやりたいことはこうやって家庭みたいに
子どもたちに
「あなたのことをみているよ」って。

「その他大勢じゃなくてあなたのことを見てるんだよ」って

伝えることをしたかったんですね。

何か印象的だったエピソードはありますか??

入社して2、3週間後に子供に包丁を突きつけられて
「お前、ぶっ殺すぞ」って言われたんですよね。

その子が3月に退寮して
母の家に行くことになったんですけど、

さよならの時に、
「お兄さんありがとう」ってすごいポロポロ泣いていて。

それまで「うぜえんだよ、ぶっ殺すぞ」
なんていうのを日々やっていたのに、

最後の最後に「ありがとう」って泣いてくれたのが
嬉しかったですね。

あとは、
こんなことって思うかもしれないですけど…
すごい嬉しかったことがあって。

高校3年生の子が今年の3月の卒業前に
免許合宿に行ったんですね。

その荷造りをしている時に
「村西さん服のたたみ方を教えて」って言ってきたんです。

いつも部屋が汚くて、
タンスの中もぐちゃぐちゃにする子で、
それを毎日、
学校に行ってる間に綺麗にしてたんですけど、

そんなその子に
「教えて!」って言われたり、
教えていた時に
「そうか!こうやってやるのか!」
って言ってもらえた時にすごく嬉しかったんです。

毎日何でこんな汚れんだよってくらい
ぐちゃぐちゃになってたんですよ。笑

それが、自分で服をたたむことに
意識が向いてくれたんだなあって思って。

めちゃめちゃ素敵ですね

すごくいい仕事ですよ(^^)

今やりたいことや、わくわくしていることはありますか?

施設に、大学に行きたいっていう子がいて
勉強を見ているんですけど。

その子を大学に受からせたいなあと思っています。

貧しいからとか、
児童養護施設だから、
大学に行けないっていうのは
あほらしいなと思ってて。

なので、進学したいというその子を応援しています。

その子はなんで
大学に行きたいって言っているんですか?

お金持ちになりたいって言っていました。
お金持ちになりたいから
社長になりたいんだって、言ってました。

高校の時に夢が明確に決まってる人って
少なくないなあと感じています。

最近は小学生の夢の1位が公務員なんだそうです。
なんか…夢がないじゃないですか。笑

わたしそれがすごくもったいないなと思っていて。

仕事って人生でもっとも長い活動じゃないですか。

その最も長い活動を楽しめないと
もったいないなって、思うんですね。

素敵ですね

よく好きこそものの上手なれっていうじゃないですか。
これ逆だと思うんですね。

上手だから好きになるんですよ。

上手なこと、得意なことをやらせてあげると、
すごく楽しくなると思うんです。仕事も含めて。

だから子どもたちの
そういうのを見出してあげたいなって思います。

自分の好きなこととか得意なことを学ばせて、
そこから進んでいってくれるといいのかなって思うので。

最後に

大切にしていることはなんですか?

児童養護で支援をしている時に思うのは、
この子たちが自分と同い年になった時に
自分の言っていたことを理解してくれたらいいな
と思っています。

箸の持ち方を直しなって話をするんですね。
出したものを片付けるんだよってこととか。

そうすると
やだとか、うるせえなって言われるんですよね。笑

でも、みんなが自分と同い年になった時に
「あいつが言ってた事ってそういうことだったんだな」
って思えればいいなって。

そう思いながら私は支援をしています。

今のお仕事のいいところを教えてください

私の仕事は種を植えることだなって思ってるんですね。

私が綺麗な花を咲かせるんじゃなくて、
種を植えて育てることが大事なんだなって思います。

私は別に死んだって種を植えたんだから、
その子があと頑張って
綺麗な花を咲かせてくれればいい。

自分だけだと花はひとつじゃないですか。

でも子供と携わっている仕事をすれば
花が沢山あるわけですよね。

そしたらきれいな世界になるんじゃないかな
とか思うんです。

いっぱい咲けばいいなと思います。

うんうん。
なんだか泣きそうになってしまいました…。

素敵なお話をありがとうございました!